PROFILE

Kari Voutilainen(カリ・ヴティライネン)

1962年、フィンランド北部ラッピ州ロヴァニエミに生まれ、故国タピオラの時計技術学校や、スイスWOSTEP(the Watchmakers of Switzerland Training and Educational Program)在学中に時計技術の基礎を修得した後、1989年からアンティーク修復や複雑機械式時計の製作など、スイス時計製造の現場に身を置く。

2002年から美しく静穏なスイス、ヴァル・ド・トラヴェール地方ヌーシャテル州モーチエにアトリエ(Artisan d'Horlogerie d'Art Voutilainen)を構えて、審美性の高いムーヴメント設計と芸術的な精密仕上げで独自の時計美を追求する傍ら、情熱の赴くままに、伝統的な時計製作へのオマージュとして、オールドエボーシュを完璧にリファインしたクロノメーターやデシマルリピーターウォッチほか、ムーヴメントの開発によって天文台クロノメーターコンクールに度々挑戦する。2006年には独立時計師アカデミー(AHCI)に入会する。

2008年からムーヴメントキャリバーの本格的な自主開発を始め、ムーヴメントの設計やパーツの製作から、装飾、仕上げ、組み立てまで、時計の内装・外装すべての工程をアトリエで行ない、希少なマスターピースを精力的に発表している。

Biography

1962年フィンランド北部ラッピ州ロヴァニエミに生まれる。

1983年から1988年まで故国タピオラの時計技術学校や時計工房で時計技術の基礎を修得したのち、1989年WOSTEP在学中から、アンティーク修復や複雑機械式時計の製作など、スイス時計製造の現場に身を置く。

1990年、ミシェル・パルミジャーニ氏(PARMIGIANI Art of restoration)の目を引くところとなり、アンティーク時計修復やミニッツリピーター、トゥールビヨン、パーペチュアルカレンダーなどユニークピースの製作に携わる。

1994年、パワーリザーブトゥールビヨン懐中時計を完成させる。

1996年、ルクルトエボーシュをリファインしたターンベゼル式ミッツリピーターを完成させる。

1999年からの3年間は、WOSTEPの複雑機械式時計の修復部門で技術指導にあたる。

2000年、ユリスナルダンの海洋式クロノメーターエボーシュを応用したコンスタントフォース脱進機のトゥールビヨンを設計製作。

2002年、美しく静穏なスイス ヴァル・ド・トラヴェール地方ヌーシャテル州モーチエに自らのアトリエ(Artisan d'Horlogerie d'Art Voutilainen)を構え、オールドエボーシュを完璧にリファインしたクロノメーターや十進ミニッツ(デシマル)リピーターの製作を進めながら、ムーヴメントの設計開発によって天文台クロノメーターコンクールの挑戦を目指す。

2004年、ルクルトエボーシュを応用したデシマルリピーター・マスターピース6製作。

2005年、バーゼルフェアに初出展。

2006年、クロノグラフ・マスターピースを完成発表。独立時計師アカデミー AHCI(Académie Horlogère des Créateurs Indépendants)に入会する。
同年、スイス社団法人タイムエーオン(TIME AEON)を設立し、スイス時計産業における独自の伝統技術を擁護し、次世代への啓発、継承、普及するために、独立時計師5人で各人の技能の共有を目指す。(フィリップ・デュフォー、ヴィアネー・ハルター、ローベル・グリュベル、ステファン・フォルセー共同)

2007年、故国フィンランドで最優秀時計師として功労賞を授与。
同年、プゾークロノメーターエボーシュの特性を見事に活かしたオブセルヴァトワールを完成発表し、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ、メンズ・ウォッチ賞(GPHG: Grand Prix d'Horlogerie de Genève PRIX DE LA MONTRE HOMME)を受賞する。
同年、デシマルリピーター・マスターピース7製作。

2008年、ロンジンクロノメーターエボーシュを応用リファインしたクロノメーター27を完成発表。
同年、ルクルトエボーシュを応用したデシマルリピーター・マスターピース8製作。

2009年、 デシマルリピーター・タンタロールを完成発表。

2010年、ミニッツリピーター10、オブセルヴァトワールGMT、クロノグラフ・モノプッシャーを製作する傍ら、自らが設計するダイレクトインパルス脱進機を有したキャリバー28の開発をすすめる。

2011年、キャリバー28を搭載するヴァントゥイット28を完成発表。
同年、マスターピース・クロノグラフⅡ製作。

2012年、キャリバー28をサイズダウンした2-Eightシリーズ(37mm)を完成発表。

2013年、キャリバー28にパワーリザーブ機構を内蔵したV-8Rを完成発表し、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ、メンズ・ウォッチ賞(GPHG: PRIX DE LA MONTRE HOMME)を受賞する。
同年、デシマルリピーター・パワーリザーブ、クロノメーター・トゥールビヨン、ミニッツリピーターGMT、2-Eightシリーズに細密な漆芸装飾をほどこしたアートピース 28 Sarasamon(更紗紋)、28 Okamon(桜花紋)製作。

2014年、革新的な時計開発と時計史に残る偉業を称えられ、スイス ラ・ショー・ド・フォン国際時計博物館にてガイア賞(MIH GAÏA Artisanat-création AWARD)を授与。フィリップ・デュフォー、ジョージ・ダニエルズ、ポール・ゲルバー、アンドレアス・シュトレーラーに次ぐ。
同年、アートピース 28 HISUI(翡翠)を完成発表し、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ、アーティスティック・クラフト ・ウォッチ賞(GPHG: Grand Prix d'Horlogerie de Genève PRIX DE LA MONTRE MÉTIERS D'ART)を受賞する。
同年、キャリバー28にGMT機構を内蔵したGMT-6、トゥールビヨン-6製作。
同年、文字盤工場 Comblémine社を操業し、他メーカーへの文字盤の製造供給を開始する。

2015年、キャリバー28にGMT機構とパワーリザーブ機構を内蔵したGMRを完成発表し、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ、メンズ・ウォッチ賞(GPHG:PRIX DE LA MONTRE HOMME)を受賞する。
同年、ミニッツリピーター・パーペチュアルカレンダー製作。

2016年、SIHH(Salon international de la haute horlogerie)に初出展。

2017年、アートピース 28 Aki-no-Kure(秋暮)を完成発表し、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ、アーティスティック・クラフト ・ウォッチ賞(GPHG: PRIX DE LA MONTRE MÉTIERS D'ART)を受賞する。
同年、回転する分表示べセルと時分針の角度で時間を表示する28 ISOを完成発表。
同年、12時位置にパワーリザーブ表示を配した28 R12製作。

2018年、キャリバー28にカレンダーレトログラード機構を内蔵した217QRSを完成発表。
同年、時計ケース工場 Voutilainen&Cattin社を操業し、ケース製作にも一段と磨きをかける。

2019年、28 TIを完成発表し、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ、メンズ・ウォッチ賞(GPHG: PRIX DE LA MONTRE HOMME)を受賞する。クロワゾネと漆芸装飾のアートピース Starry Night Vine Yardは、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ、アーティスティック・クラフト ・ウォッチ賞(GPHG: PRIX DE LA MONTRE MÉTIERS D'ART)を受賞。

2020年、キャリバー28初のセンターセコンドモデル28 SCを完成発表し、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ、メンズ・ウォッチ賞(GPHG: PRIX DE LA MONTRE HOMME)を受賞。
同年、28 Sport、アートピース 28 Yozakura(夜桜)、28 Hatou(波濤)製作。

2021年、ヴァル・ド・トラヴェール地方ヌーシャテル州サン・スピルスの高地"Chapeau de Napoléon"にアトリエ(Artisan d'Horlogerie d'Art Voutilainen)を新設しました。

2022年、ワールドタイム機構を内蔵した新キャリバーを完成し、漆芸装飾のワールドタイマー アートピース JI-KU(時空)製作、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ、アーティスティック・クラフト・ウォッチ賞(GPHG: PRIX DE LA MONTRE MÉTIERS D'ART)を受賞。

2023年、クッション型ケースのワールドタイマー CSWを完成発表し、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ、メンズ・コンプリケーション・ウォッチ賞(GPHG: PRIX DE LA COMPLICATION POUR HOMME)を受賞。

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