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2005/06/01 [ Reportage ]

TIME AEON(タイムエーオン)

2005年、スイス社団法人タイムエーオン(TIME AEON)を設立し、スイス時計産業における独自の伝統技術を擁護し次世代への啓発、継承、普及するために、独立時計師5人で各人の技能の共有を目指しています。(フィリップ・デュフォー、ヴィアネー・ハルター、ローベル・グリュベル、ステファン・フォルセー共同)


1980年代から、スイスの時計師たちは、大手時計企業でのキャリアを通じて、ラグジュアリーピース市場での彼らの存在感を濃厚にしてきました。同分野への関心が高まるなか、洗練されたメカニズムが備わったタイムピースは名品として位置付けられ、その重要性は増す一方でした。この成長動向に反して、独立時計師やクリエーターは、今日、減少傾向にある職人の代表格といえます。それは商品としての時計やある種の工業生産管理を重視するあまり、一部の大手企業ブランドのコミュニケーションツールが、その職人の持つ芸術性はもとより、職人の役割をも隠蔽してきたことにも一理あります。沸騰する時計業界において、独立時計師はいまだかつてなくアクティブであり、時計つくりの技術を頂点に極めるミッションを共に遂行し続けています。


2005年6月に設立されたスイス社団法人TIME AEON(タイムエーオン)のもとに、フィリップ・デュフォー、ヴィアネー・ハルター、カリ・ヴティライネン、ローベル・グリュベル、ステファン・フォルセーら独立時計師5人は、スイス時計産業におけるウォッチアートとウォッチメーイキング独自の伝統技術を擁護し次世代への啓発、継承、普及するために、各人の技能の共有を目指しています。とはいうものの、タイムエーオンと一線を画したところで、個々の独立したポジションを保ちながら時計製作活動を続ける意志を表明しています。


時計産業での彼らの見解および方向性は共通しています。それは、孤立感、クリエイティブかつ技術的な面での相乗効果の欠如、専門技術と専門職の存在理念の消失、質の高い技術を持つ職人の枯渇、総体的に確立した芸術の必要性、などです。それゆえ、彼らは、タイムエーオンとして集結し、時計製作技術と専門職人としてのあり方を継承すること、ウォッチアートを個人的かつ個性的な表現の発露の手段として用いること、クオリティーと卓越した技によってマスターピースを完成すること、芸術的規範に従って長期的な信頼性やすべてのコンポーネンツの完成度を保証すること、を実践しています。

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